ユキグニファクトリー様 - 20年以上の信頼関係が実現した生鮮きのこ配送の品質向上
新潟に本社を置くきのこ製造会社・ユキグニファクトリー(旧:雪国まいたけ)様に、エブリー24との長期にわたるパートナーシップと、配送品質向上への取り組みについてお話を伺いました。

生鮮きのこの品質を追求する総合メーカー
貴社の事業概要と、きのこ製造における品質へのこだわりについてお聞かせください。
当社は新潟を拠点とするきのこの総合メーカーとして、まいたけを中心にエリンギ、ぶなしめじなど多様なきのこ類の製造・販売を行っております。このほか、まいたけが持つ優れた健康効果成分を濃縮した健康食品や風味豊かな炊き込みごはんの素など、各種の加工製品も開発、製造しております。
きのこ製造における物流面でのこだわりとして特に重要なのは、生鮮品であるきのこの品質維持のため、チルド配送を徹底している点です。各運送会社様には「こういう方法で運んでください」と具体的に依頼し、コールドチェーンを切らさない配送体制を構築しております。 お客様に正確にお届けするという基本的な部分、納品漏れがないこと。当然のことかもしれませんが、それを日々継続していくことが我々の最も重要な業務内容だと考えております。

「ユキグニファクトリー」への社名変更について教えてください。
2025年4月に「雪国まいたけ」から「ユキグニファクトリー」に社名変更いたしました。旧社名では、まいたけしか製造していないという誤解を招くことがありました。実際にはエリンギやぶなしめじなど多様なきのこ類を製造しており、さらに飼料事業や海外展開、きのこ由来の新素材開発など、様々な分野に事業を拡大しております。
「ユキグニファクトリー」という新しい社名は、雪国で培った技術と品質へのこだわりを引き継ぎながら、新たな挑戦を続けていく意志を表現したものです。まいたけだけでなく、総合的な食品メーカーとしての姿勢を明確にし、今後も革新的な取り組みを続けてまいります。
20年以上前のチルド配送ニーズから始まった関係
紹介で始まった協業
エブリー24との取引開始の経緯についてお聞かせください。

20数年前に遡ります。エブリー24の担当者様に伺ったところ、最初はもともと取引のあった運送会社からの依頼という形で配送を担当し、その後、中部エリアについて直接取引をさせていただく形に発展したということです。
当時は生鮮品とはいえ、全てがチルド配送ではなかったのですが、我々としてはチルド配送の必要性を強く感じておりました。当時利用していた運送会社から、「中京地区に強いのはエブリー24だ」ということでご紹介いただいたのが始まりです。
チルド配送体制の構築とトラブル対応
配送トラブルの頻発と保管場所の確保
導入前にはどのような課題を抱えていらっしゃいましたか。
最も深刻な課題は配送トラブルの頻発でした。具体的には、納品遅延や未配送が毎月のように発生しており、連絡が来ないといった問題も起こっておりました。配送準備は完了していたにも関わらず、実際には配送に行っていないという未配送トラブルも何度も発生していました。
これらの問題により、営業面でもお客様を失うリスクが生じており、早急な改善が必要でした。
共同配送ネットワークと信頼関係の構築
広域配送網と共同配送システムの優位性
エブリー24を選択された決め手についてお聞かせください。
最も重要な要素は、エブリー24の共同配送ネットワークの充実度でした。我々のような生鮮品を扱う企業にとって、センター間転送や共同配送システムは非常に重要です。賞味期限はないものの、鮮度が良いものをお客様に迅速にお届けしなければならないため、このシステムはエブリー24ならではの強みだと評価しております。
また、営業担当者とのコミュニケーションが取りやすく、問題点があればご相談させていただき、解決のための様々な提案をいただける点も決め手となりました。
共同配送とチャーター配送の違いについて教えてください。
配送には大きく分けて二つの方式があります。チャーター配送は一社の商品をトラック一台で配送する方式で、共同配送は複数のお客様の商品を一台のトラックで配送する方式です。
チャーター配送の場合、一筆書きのような配送ルートになるため、新しい納品先の時間指定に対応が困難になります。特に2024年問題で労働時間の制約が厳しくなる中、共同配送システムの価値がより高まっていると考えております。
配送トラブルの大幅削減と事業拡大への貢献
北陸エリアでの配送トラブルゼロを達成
導入後の具体的な効果についてお聞かせください。
最も顕著な効果は配送品質の向上です。北陸エリアについては、年間を通じて配送トラブルがほぼゼロという状況を実現しております。以前は毎月のように発生していた配送トラブルが解消され、配送品質が大幅に向上いたしました。
また、年間数百万円のコスト削減も実現しており、保管スペースの拡大も同時に達成しております。これらの効果により、概ね満足のいく結果を得ております。

直販比率向上への貢献はいかがでしょうか。
20数年前は青果市場への卸売が中心でしたが、現在では小売店様との直接取引比率が非常に高くなっております。市場一件への配送から、細かく小売センターへの配送に変化した際、エブリー24の配送ネットワークが大きな支えとなりました。
我々の直販比率向上戦略と、エブリー24の事業拡大エリアのニーズが合致し、相互にメリットのある関係を構築できたと考えております。
中京・北陸・静岡エリアでの包括的サービス
段階的なエリア拡大と多様なサービス展開
現在の利用状況について詳しくお聞かせください。
具体的には、中部4県(愛知、岐阜、三重、静岡)と北陸3県(石川、福井、富山)の合計7県を担当させていただいております。
全体の約15%程度をエブリー24にお任せしております。これは弊社の取引先構成の中でも上位に位置する規模であり、トップ10には確実に入る、トップ5に近い構成比となっております。
相互提案による継続的改善
営業担当者との密接な連携体制
エブリー24との関係性について教えてください。
営業担当者との関係は非常に良好で、何かあれば気軽にご相談できる関係を築いております。問題解決のための様々な提案をいただき、我々の要望に対しても寄り添った対応をしていただいております。
人間関係は全く問題なく、今のまま継続できれば理想的だと考えております。
関東エリア進出と業界協力体制の構築
関東エリアでの共同配送網強化への期待
今後の期待や要望についてお聞かせください。
現在の課題は関東エリアでの共同配送網の充実です。エブリー24が関東エリアを強化されている中で、名古屋から関東エリアまでカバーしていただけるようになれば、さらなる事業拡大が可能になると期待しております。
静岡エリアでの新たな取り組みについて教えてください。
現在、静岡エリアでは名古屋からトラックで配送してもらっていますが、台風などの自然災害時には配送が困難になる課題があります。また、名古屋センターのスペース不足も課題と聞いております。
そこで、3年前に開設した浜松ハブセンターでの一部在庫保管をご提案いただきました。コスト削減と配送効率向上を両立できるWin-Winの関係を構築させてもらっています。
運送会社間協力体制の構築
物流会議を通じた業界全体の効率化
今後の取り組みなどについてお聞かせください。
弊社主催で行う物流会議に全国の運送会社約30社が参加し、業界全体の課題解決に向けた協力体制を構築する予定です。2024年問題により労働時間の制約が厳しくなる中、運送会社間の協力がより重要になっております。
従来はライバル関係とされていた運送会社さん同士も、現在は協力し合う時代と聞き及んでおります。
各社の成功事例共有や当社の要望発表を行っておりますが、今後は各社がカバーし合いながら、より良い配送体制を構築していきたいと考えております。運送会社間の連携により、業界全体の効率化が実現できると期待しております。
相互成長を目指すパートナーシップ
事業拡大と配送網拡大の相乗効果
今後のパートナーシップについてお聞かせください。

我々がきのこの販売を拡大し、配送先を増やしていく中で、エブリー24には「かゆいところに手が届く」対応をしていただいております。我々の事業成長とエブリー24の配送網拡大が、費用対効果の面でも両社にメリットをもたらす形で取り組んでいけることが理想です。
特に北陸エリアでの直販比率向上は、エブリー24なくしては達成できなかったと考えており、今後も同様の関係を継続していきたいと思います。
※本記事は2025年7月に実施したインタビューを基に構成しています。