スギヨ様 - 20年以上の信頼関係で築く、進化し続ける物流パートナーシップ
石川県七尾市に本社を置く水産練り製品メーカー・株式会社スギヨ様に、エブリー24との20年以上にわたるパートナーシップと、震災を乗り越えて構築した革新的な物流体制についてお話を伺いました。
「ビタミンちくわ」で知られる日本を代表する水産練り製品メーカー
地域に根ざし、全国へ展開する製造体制
貴社の事業概要と、製造拠点の特徴についてお聞かせください。
弊社は石川県七尾市に本社を構え、水産練り製品全般を製造・販売しています。主力商品は高価格帯のカニカマ、焼きちくわ、加賀揚などです。生産拠点は石川県七尾市の本社工場と商業団地工場が中心で、全社の生産量の半分以上をここで製造しています。
そのほか北海道の小樽市、茨城県坂東市、山口県下関市にも工場を展開し、全国9カ所の営業所から日本全国のお客様に商品をお届けしています。配送エリアは北海道から沖縄まで、温度管理区分は冷凍40%、チルド55%、常温5%という割合で、複数の温度帯管理が必要な商品を扱っています。

物流効率化と納期短縮への対応
幹線輸送の無駄とリードタイム短縮の必要性
エブリー24との取引開始の経緯についてお聞かせください。
20年以上前、名古屋・中京エリアの小口配送からスタートしました。名古屋支店とエブリー24の名古屋スーパーハブセンターとのお付き合いが始まりで、中京エリアに強いエブリー24との付き合いが自然に始まったのだと思います。
その後、七尾から名古屋までの幹線便、関東から関西への幹線便、北陸地方の共配利用へと拡大していきました。
関東-関西間の物流における課題
関東から関西への幹線輸送について、どのような課題がありましたか。
関東から関西への幹線について、弊社の物流は以前はすべて本社が起点となっており、各工場で製造したものもいったんすべて石川県へ運んだあと、全国へ配送していました。関東工場の製品を関西へ輸送する際、石川県を経由するムダを減らす必要がありました。
北陸地方の配送についても課題があったとお聞きしました。
北陸地方での共配利用について、日配品の配送において、これまではスギヨ本社からの直送に頼っていました。しかし、小売り各社ごとにセンターができ、配送先が増えていったことによる輸送能力の限界がありました。
最近はセンターごとに午前中納品、それも2時間枠での指定など、納品時間の制約も厳しくなってきています。働き方改革の影響もあり、ドライバーの待機時間削減など、物流業界全体で効率化が求められる中、柔軟な対応ができるパートナーが必要でした。
チルド配送の専門性とフットワークの軽さ

温度管理への絶対的な信頼
数ある物流事業者の中から、エブリー24を選ばれた決め手について教えてください。
共同配送と拠点ネットワークが魅力でした。特にチルド配送に特化しているという専門性が大きいです。温度管理については何の心配もなく、品質を保ちながら配送していただけます。配送エリアや拠点も、ほぼ弊社が必要としているところをカバーしていました。
他にお付き合いのある運送会社様もありますが、エブリー24はフットワークが軽いというか、相談したら何とかしようとしてくれる姿勢があります。個人的な話ですが、お話をしやすいんです。「ちょっとエブリー24さんに聞いてみようか」と思える関係性ができています。
営業との距離感の近さ
営業体制についての特徴はありますか。
営業担当者との距離感は、他の会社に比べて非常に近いです。何かあるとすぐ連絡を取り合えるし、連絡してすぐにレスポンスがあるというのは、信頼関係の一番のところだと思います。
実際の拠点に近いところに営業担当を置いていただいて、何かあったらすぐに連絡していただけるような体制ができています。北陸、関東、中京と、それぞれの拠点で関係構築をさせていただいており、社内の情報共有システムで全営業担当が情報を共有できるようになっています。
段階的な拡大による物流効率の大幅改善

関東-関西幹線便による効率化
関東から関西への幹線便導入による効果はいかがでしたか。
配送の距離、荷扱いの回数、そしてもちろん費用面でも、ぐっと圧縮できました。七尾を経由せず、関東工場から直接関西へ配送できるようになったことで、物流効率が格段に向上しました。
エブリー24にとってもチャレンジングな案件だったと思います。旧幸手ハブセンターから 5カ所の拠点を経由する配送網の構築には、社内でも横の連携を密にして対応していただきました。
北陸地方での共配による課題解決
北陸地方での共配利用による変化はいかがですか。
以前は自社便で各センターに直送していましたが、センター数が増えて物理的に対応できなくなってきました。エブリー24に中継していただくことで、新しくできたセンターへの配送も可能になりました。これはメリットしかありません。
実際、配送先が増えていく中で、エブリー24にお任せできることで弊社は製造に集中できるようになりました。
長期パートナーシップによる信頼関係

20年以上の取引実績
現在の運用体制について教えてください。
名古屋時代からだと20年以上、関東幹線は6年、北陸は3年半くらいのお付き合いになります。日々の配送データをCSV形式でメール送信しており、メールや電話が基本のコミュニケーションとなっています。
月に1回程度はやり取りがありますが、それぞれの拠点ごとに営業の方とコミュニケーションを取っているので、実際はもっと頻繁に連絡を取り合っているかもしれません。
震災を乗り越えた協力体制
能登半島地震の際の対応について教えてください。
2024年1月1日の地震で、七尾市内の3つの工場がすべて止まりました。工場の再稼働には、一番早く再開できた工場で2ヶ月、ビタミンちくわを製造する本社工場では5ヶ月。また、主な商品が生産できるようになるまで半年かかりました。その間、金沢の在庫や、関東工場、仙台の子会社工場から直接配送するなど、通常とは異なる柔軟な対応をしていただきました。
エブリー24の協力がなければ出荷ができないと言っても過言ではありません。震災という困難な状況でも、長年の信頼関係があったからこそ乗り越えられたと思います。

共に成長する関係性
課題解決への柔軟な対応力
エブリー24との関係性について教えてください。
納品時間の変更など、他の運送会社様が「もう配送できません」という案件でも、エブリー24は「対応します」という姿勢でお客様のニーズに応えようとしてくださいます。
長いお付き合いの中で、互いに理解し合える関係性ができています。声の掛けやすさ、フットワークの軽さ、そして何より「一緒に解決していこう」という姿勢が、私たちにとって大きな支えとなっています。
流通加工機能の拡充と更なる連携強化

日付印字などの流通加工への期待
今後エブリー24に期待することはありますか。
日付印字などの流通加工機能があると助かります。納品時間がどんどん短縮される中、発注から出荷までの時間的余裕がなくなってきています。現在はエブリー24の拠点に在庫を置かせていただいて対応していますが、今後品数が増えてくると、日付印字などの機能が必要になってくると思います。
また、弊社は冷凍品も多く扱っているので、チルドに特化されているエブリー24が冷凍品も一部扱っていただけると、さらに幅が広がってくると思います。
全国展開への期待
今後のパートナーシップについてお聞かせください。
今後も北陸、関西、中四国エリアなど、より多くの地域でお役に立てればと考えています。これからも今までと変わりなく、いや今まで以上に情報交換をお願いすることが出てくると思います。
エブリー24側からもどんどんご提案いただければ幸いです。復旧はまだ道半ばですが、これからも一緒に良いお付き合いができることを期待しています。
共存共栄の関係から生まれる相乗効果
確固たる信頼関係の構築
長期的なビジョンについてお聞かせください。
20年以上のお付き合いの中で、エブリー24とともに成長してきた実感があります。関東に拠点を作られた時も、弊社に声を掛けていただきました。北陸地方でのネットワーク構築も、一緒に作り上げてきたものです。
今後もお互いの事業拡大に合わせて、協力し合いながら成長していきたいと思っています。特に関東エリアから中京・関西への物流網は、私たちにとって欠かせない基盤となっています。これからも切っても切れない関係として、共に発展していければと考えています。